
毎年2月〜4月は、転勤・進学などによる「人の移動」が多く、不動産の売却や住み替えが活発になる時期です。特に近年は、テレワークの定着により「マンションから戸建てへ」「戸建てから戸建てへの買い替え」など、より快適な暮らしを求めるニーズが高まっています。
ただし、不動産の買い替えは「売却」と「購入」を同時に進めるため、スムーズな流れを把握しておくことが重要です。今回は、不動産の買い替えを検討している方に向けて、成功のためのタイミング・築年数・手続きの流れなど、分かりやすく解説します。
■築20年以内の売却が有利?住宅ローン控除にも要注目
不動産を高く売却したいなら、築20年以内に売却を検討するのが理想的です。中古住宅市場では、戸建て・マンションともに「築20年以内」の物件が最も人気が高く、高値での売却が期待できます。
さらに、住宅ローン控除の観点からも、築年数は重要なポイントです。戸建て住宅では築20年超、マンションでは築25年を超えると、住宅ローン控除が適用できないケースが多くなります。これにより買主の節税メリットが減り、購入意欲が下がってしまう可能性も。
つまり、「買主にとってメリットのある築年数」で売却を始めることで、早期成約につながりやすくなります。
■不動産売却のベストシーズンは「2月〜4月」
不動産市場では、2月〜4月が売却の繁忙期。進学・転勤・新生活の準備が重なるこの時期は、多くの人が新居を探しているため、中古住宅の需要が一気に高まります。
特に、12月〜1月に売却の準備を始めておけば、2〜3月のピーク時に合わせて販売活動をスタートでき、高値売却・早期成約のチャンスが広がります。
一方、8月は人の移動が少なく、引っ越し件数も減少するため、売却活動には不向きな時期です。タイミングを見極めて売り出すことが、成功への第一歩になります。
■不動産の買い替えは「売り先行」と「買い先行」どちらがいい?
不動産の買い替えには、主に以下の2つの方法があります:
売り先行:現在の家を先に売却し、その後に新居を購入する方法
・メリット:資金繰りが楽、住宅ローンの心配が少ない
・デメリット:引っ越し時期の調整が難しい
買い先行:新居を先に購入し、その後に今の家を売却する方法
・メリット:住み替えのスケジュールが立てやすい
・デメリット:ダブルローンの負担が大きい可能性
とくに、現住居に住宅ローンが残っている方は「売り先行」がおすすめです。買い先行にしてしまうと、ダブルローンのリスクがあるため、慎重な判断が求められます。
■買い替え特約とつなぎ融資を活用して、スムーズに住み替え!
「売り先行」の場合におすすめなのが、買い替え特約の活用です。これは「現在の住まいが売れなかった場合、購入契約を白紙解除できる」という契約条項で、購入リスクを軽減できます。
また、売却代金の入金前に新居の支払いが必要な場合は、「つなぎ融資」を利用することで、一時的な資金不足を解消できます。これにより、売却と購入のタイミングのズレによる不安もカバー可能です。
■まとめ|不動産の買い替えは「築年数」「時期」「手順」がカギ!
不動産の買い替えを成功させるには、以下のポイントを押さえることが重要です:
・築20年以内の売却を目指す(高値売却&住宅ローン控除対象)
・2〜4月の繁忙期に合わせて売却活動を開始
・「売り先行」「買い先行」の違いを理解し、自分に合った方法を選ぶ
・買い替え特約・つなぎ融資を活用してリスクを減らす
住み替えには大きな決断と計画が必要です。この記事を参考に、無理のない資金計画とスケジューリングを行い、賢く不動産の買い替えを進めていきましょう。
法人営業部 犬木 裕