最近、茨城県付近での震度3前後の地震が増えているように感じます。地震には有感地震と無感地震があり、毎日、多くのエリアで発生しています。詳細を知りたい方は下記の「防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網」をご確認ください。
防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網はこちら
■火災保険とセットで加入する「地震保険」について
2024年8月には南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の呼びかけが終了しましたが、引き続き地震への備えは必要である事には変わりありません。いざというときの備えを考えると、食料備蓄などと同様に経済的な備えも重要となります。地震で自宅や家財に損害を受けたとき役立つのが「地震保険」と言われます。火災保険とセットで加入する商品で、火災保険の契約途中に加入する「後付け」ができる事をご存知でしょうか?まだ加入をされていない方は仕組みを把握して加入をご検討いただければ幸いです。
火災保険の加入時に地震保険を付けないケースは3割強あります。損害保険料率算出機構によると、2022年度の火災保険契約件数のうち、地震保険を付けた割合(付帯率)は全国で69.4%となっているようです。大地震を経験した宮城県や熊本県など付帯率が9割の地域もありますが、全国には5〜6割の地域もあります。どうやら大地震を経験した方は地震保険の大切さを理解していますが、経験の無い方は、「今後も発生しないだろう」と考えてしまう傾向があるようです。
■「地震保険」が付けられない、火災保険も存在する!
火災保険の契約時に付けなくても、契約途中で加入はできます。地震保険が付けられるのは、損害保険会社が提供する火災保険となります。少額短期保険会社の火災保険に地震保険を付けることはできません。ご注意いただければ幸いです。
手続きの窓口は原則、加入中の火災保険の契約で利用した代理店となります。まずは火災保険の保険証券などに記載された代理店に連絡して、代理店で補償内容などを相談してみてください。契約内容が決まったら保険料を支払うという流れです。保険会社が契約に不備がないかを確認し、加入手続きが完了します。火災保険の加入時と異なる代理店で手続きを依頼しても、すぐに対応してもらえません。
保険ショップ大手、ほけんの窓口グループ経由で火災保険に加入した場合、同社は必要書類がそろっていれば、地震保険に即日加入することもできるようです。事前に店舗に連絡しておくと手続きがスムーズになります。インターネットで契約した火災保険は電話のみで対応可能なこともあり、日新火災海上保険は専用の連絡先に電話すると、基本的に書面、押印などのやりとり不要で即日加入ができるような流れにしているようです。
しかし、建物の免震や耐震性能の確認資料が追加で必要になる場合などには即日加入が難しく、時間がかかることがあります。三井住友海上火災保険は補償開始まで1週間程度かかるようです。保険料の支払いなどの不備がなければ、申込書で指定した保険期間の開始時から補償が始まります。加入後、一定期間補償を受けられない「免責期間」はありません。いずれにせよ、保険会社によって、手続きのルールが異なるようなので、その保険会社の流れに従っていただければ幸いです。
■建物は5000万円、家財は1000万円が上限となっている?!地震保険の保険金額について
地震保険は地震による自宅の倒壊や家財の破損に加え、津波で家が流されたり、地震による火災で家が焼けたりした場合に保険金を受け取れます。通常、火災保険は地震が原因の損害は補償しません。地震保険に加入する事で結果、家計を守る事につながります。
地震保険の保険金額は、火災保険金額の30〜50%の範囲で選ぶのが一般的です。金額は上限があり、建物は5000万円、家財は1000万円となっています。
被災時に払われる保険金は、損害の状況に応じて変わります。柱や屋根など「主要構造部」の損害額が建物の時価の50%以上など大きな被害を受けると、保険金額の全額が払われます。主要構造部の損害が3%以上20%未満などでは、保険金額の5%となります。
保険料は住まいの都道府県と建物の構造で決まります。建物の耐震性能などで10〜50%の割引きがあり、保険会社による差はありません。参考までに財務省が発表している「地震保険の基本料率表」をご確認ください。
地震保険の基本料率表はこちら
https://www.mof.go.jp/policy/financial_system/earthquake_insurance/standard_premiums.html
地震保険は被災後の生活を支えることが目的だ。保険金額は火災保険の50%が上限なので、地震保険の保険金だけでは住宅の再建が難しい可能性もあります。補償額を増やしたいなら、各保険会社の独自の商品を活用する方法があります。
例えば、地震による火災の損害を受けた場合に、地震保険とは別に保険金を出す「地震火災費用特約」を設ける保険会社は多く、地震保険で火災保険金額の半分、特約でもう半分を得れば、火災保険金額と同等になります。
単独で加入できる保険もあり、SBIいきいき少額短期保険の地震補償保険は、地震や噴火により自宅が倒壊などの被害を受けた場合に保険金が支払われるといった商品です。保険金額は世帯人数に応じて選べる仕組みで、5人家族なら最大900万円となります。住宅ローンを抱えていたり貯蓄が少なかったりする人の選択肢になっているようです。
ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。
法人営業部 犬木 裕