新型コロナの関係で在宅勤務(テレワーク)が広がったことなどを機に新たな住まいを探す人が増えています。主要都市では、不動産の物不足状態が続き、自宅購入をしたいけど出来ない方も増えています。また、自宅を買い替える際に重要なポイントは、いま住んでいる家を「どう売却するか?」という事です。売却のタイミングと価格によっては資金計画や買い替え後の家計運営が大きく変わる事も考慮して対応する必要がございます。また、買い替えの仲介手数料や税金も把握していただければ幸いです。
■オミクロン株の影響が気になりますが、なんでここまで不動産購入を検討する方が増えているのか?!
自宅を買い替える場合にまず決めたいのが売却のタイミングです。購入前に売るメリットは、売却代金をもとに住み替えの資金計画を立てることができます。売却代金でいま住む家の住宅ローンを完済できるのか、新居の住宅ローンをいくら借りればいいのかといったメドが立てやすいといった特徴がございます。購入した新居の代金を払うために売却を急ぐ必要がありません。デメリットは売却後に新居が見つかるまで時間がかかると仮住まいが必要になってしまいます。敷金や礼金などの費用が別途かかり、引っ越しも2回必要となる場合がほとんどです。
購入が先になるメリットは今の家に住みながら新居探しに時間をかけられる点です。新居が決まれば仮住まいなしで引っ越すことが可能で、売却する際は空き家の状態で買い手に見てもらうことができる。あまり多くはありませんが、リフォームをして売り出す選択肢も考えられます。一方、デメリットは資金面の負担です。今の家で住宅ローンが残り、新居でもローンを組めば二重ローンを負うことになります。金融機関の審査によっては残債や勤務先、収入などの状況から新居でローンを組めない可能性もあります。また、比較的多めの貯蓄がある事が望まれます。
■自宅の買い替えを検討している方へ 不動産売却で重要な『価格』について!
売却のタイミングと並んで大切なのが、今の家がいくらで売れそうなのかを把握することです。現在は売却の一括査定サイトと呼ばれるサービスを提供している会社もある為、比較的簡単に『価格』(査定)を知る事が出来ます。しかし、このようなサイトでの査定依頼には注意が必要です。査定価格が最も高い業者に仲介を依頼しがちですが、「高い査定を出す業者が必ずしも良いとはいない」という事を把握しておいて下さい。
査定価格を高めに提示して仲介契約を結び、売り出したあとに「販売が苦戦している」といった理由で売値を下げさせることがある事がほとんどだからです。自宅周辺の物件価格をチェックし、査定価格の根拠を業者に確認することが必要です。
■不動産売却で必要な仲介手数料や税金について
不動産売却で必要な仲介手数料についても把握をしておくことをお勧めします。一般的には、宅建業法により「売却代金×3%+6万円」に消費税を加算するのが仲介手数料と呼ばれるものです。これは上限なので手数料を値引きする業者もありますが、売却の手取り額がいくらになるかが重要です。また、手数料だけでなく、どんな方針で売るのかを確認したうえで、過去の仲介実績なども踏まえて業者選定を行っていただきたいと思います。
物件が売れれば売買契約書に貼る印紙代が必要になるほか、仲介手数料は新居を購入するときもかかります。購入時は所有権移転の登記費用や融資事務手数料、印紙代なども発生するため、買い替えの資金計画で考慮しておきましょう。
また、マイホームの売却で譲渡益が出れば課税対象になりますし、3000万円の特別控除を使うと、売却して3年以内に購入した物件で住宅ローン減税を利用できないといった事も発生します。いずれにせよ、不動産の買い替えを検討する際には、様々なお金の事を考える必要がございます。ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。
法人営業部 犬木 裕