■正式名称は「団体信用生命保険」「万が一の場合、ローンがチャラになる」と言われる団信。
団信の正式名称は「団体信用生命保険」。住宅ローンを検討すると必ず耳にする言葉です。「ローンとセットの保険」「いざという時にローンが残らない」といった漠然としたイメージのまま住宅ローンを組まれる方が多いと思います。団信の基本は住宅ローンの返済期間中の死亡や高度障害などに備えた保険で、保険金で住宅ローンの残高が完済されたりする仕組みです。簡単に表現すると「万が一の場合、ローンがチャラになる」といった制度です。
住宅ローン専門金融機関のARUHI(フラット35のモーゲージバンク)では、団信3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)の特約付きの場合、仮に3大疾病になった場合の保障を備えた団信が用意されています。
一般の保険は保険金の受取人が本人や家族などですが、団信は金融機関が受取人となり、保険金を直接ローンの残債に充てるような仕組みになっています。つまりは受取人が違うといったものでもあります。一般の保険は一定以上の額は課税対象だが、団信は税金が発生しません。
一方、通常の生命保険の場合、保険に入る目的は「健康不安」です。そのため、住宅ローンの団信と同等の保険に加入しようとすると、金利上乗せ相当分の保険料では入れません。団信は、単に団体割引が効くから安いというわけではないことも知っておくといいでしょう。
また、団信に加入する際には、健康状態に関する審査を受ける必要があります。過去の傷病歴や現在の健康状態、身体の障害などについて、告知書に正しく記載しなければなりません。もし、告知義務違反となると、保険契約を解除されてしまうケースもあるので注意しましょう。契約前には免責事項(どのような場合に保険金が払われないか)もしっかりと確認することが重要です。万一、審査に通らない場合、団信の加入義務がない「フラット35」を選ぶ方法もあります。
■本当は比較して欲しい!住宅ローンを組まれる際には「団信」の内容について
これから住宅を購入するケースを考えると、金融機関では住宅ローンを組む場合、団信とセットの商品が一般的です。私も最初の住宅ローンを組んだ際には、低金利である商品をPRしていた地方銀行のものを選びましたので、セットの商品でした。団信は「保険」なので、保障が手厚いほど保険料は高くなり、他の保険商品の加入状況や保障内容なども踏まえ、団信の内容も確認するべきです。しかし、住宅ローンの金利の低さを比較する方が多いのに対して、団信の内容を比較する方は稀だと思います。
団信に加入せずに返済中に万が一の事態が起きた際、他の保険や貯蓄などで残額を支払えないと、住宅は抵当権のある金融機関のものとなり、手放さないといけなくなります。
■「緩和型団信」をいうものをご存知ですか?実は健康上の理由があっても入れる団信があるんです!
健康上の理由で保険会社の審査が通らずに住宅ローンが組めない場合、連帯保証人が必要になるケースが一般的です。ただ最近は「緩和型団信」という団信も登場していますので、保険料は割高になってしまいますが、糖尿病・高血圧症・心疾患・うつ病といった理由で通常の団信に加入できなかった人も加入しやすくなっていたりします。
※団信を提供する金融機関によって、緩和型のメニューが異なります。
マイホーム購入が「人生最大の買い物」ならば住宅ローンは「人生最大の借金」と言われます。団信を上手に活用し、返済計画の選択の幅を広げたり、いざという場合の備えとして、住宅ローンを組んでいる事が結果、団信を使う事につながり、「万が一の場合、ローンがチャラになる」という流れにもなってきます。
コロナ禍で賃貸からテレワークスペースを確保する為、売買を検討される方が増えていると聞きます。ぜひ、住宅ローンを組んで売買を検討される方には「団信」という備えについえも把握をしておいて欲しいと思います。
今後の住宅購入の参考にお役立て下さい。